今回は、ぼくが初めて出た
トランポリンの試合のおはなしです。
トランポリンに出会って
夢中で跳んでいたあの頃。
気づいたら
「もっとやりたい」
「やりつくしたい」
と思うようになっていました。
そんな中
ふと決まった“最初の試合”。
あのときの心の軽やかさと
メダルの重みは
今でもぼくの中に残っています。

初出場は
オープン参加
トランポリンを始めたばかりの頃でした。
出場のきっかけは
とても軽い感じだったと思います。
コーチから急に
「今度の試合出てみようか?」と
よく覚えていませんが
僕はすぐに「出る!!」
と返事をしていたと思います。
申込みの期限を過ぎていたため
”オープン参加”という扱いになりました。
これはどんなに良い点数を取っても
記録には残らず
賞状もメダルも
基本的にはもらえない立場です。
でも、当時のぼくには
それがちょうどよかったのだと思います。
「絶対に勝たなきゃいけない」
というプレッシャーがなく
「とりあえず、やってみよう」
という気持ちで試合に臨めました。
そう、ぼくの”意外な目標”は
「試合に勝つこと」ではなく、
「試合がどんなものか経験
してみること」
だったんです。

はじめて感じた
「競技の世界」
1992年、11月23日、小学2年生。

ぼくははじめて試合に出場しました。
あんなに本気で目指してた体操で
試合に出場したことがなかったことは
自分自身で不思議に感じていました。
試合会場の空気は独特で
たくさんのトランポリンが並び
跳ぶたびに「ガシャーン、ガシャーン」
と音が響いていました。
選手たちの緊張した表情
シーンとした空気の中で名前が呼ばれ
「ガンバ!」
という声援から始まる演技
マットの匂いも含めて
「競技の世界」を初めて
肌で感じた瞬間でした。

自分のグループの順番が来たとき
胸がドキドキしていたのを覚えています。
練習中も
待機中も
そして試合本番もずっと。
あとから振り返ると
ぼくはけっこう緊張しやすいタイプ
だったのかもしれません。
演技の詳細はあまり覚えていません。
でも、決勝の最後で失敗したことだけは
鮮明に覚えています。
最後の技
前宙返
りの回転が足りず
着地と同時に後ろにコケて
尻もちをついてしまいました!
「うわー! こけちゃった(><)」
と思いましたが
不思議とそれほど悔しくは
ありませんでした。
そもそも「成績を出すため」に
出た試合ではなかったからだと思います。

思わぬ結果と
生まれた「欲」
でも
思いがけないことが起こりました。
あとで点数を見たら
なんと2位の得点だったのです。
その瞬間——
「え、じゃあ…もし
オープン参加じゃなかったら
銀メダルだったの!?」
「最後コケなかったら
優勝してたの!!???」
そんな気持ちが湧いてきました。
それまで
結果なんて気にしていなかったぼくの中に
ふいに「欲」が生まれました。
「やっぱりメダル欲しかったな」って。

初めてのメダル
初めての感動
試合から1〜2週間後
特別に銀メダルが
所属チームに送られてきました。
なぜ送られてきたのかは全く覚えていません
(誰か覚えていたら教えてください…笑)
でも
めちゃくちゃ嬉しかったことは覚えてます!
キラキラ光る銀のメダル。
手に取ると
思ったより重たく感じました。
首にかけると
ずっしりとした感触があります。
鏡の中には
メダルをかけた自分が立っていました。
人生初のメダル。
初めて
「がんばったことが形になった瞬間」。
それは間違いなく
ぼくの心を動かしました。

「結果を狙わない」ことで
得られたもの
あの試合で得たのは
成績じゃありませんでした。
金メダルを狙うためじゃなく
「出てみる」ために出た試合。
だから
緊張の中でも試合を感じられたし
失敗しても
必要以上に引きずりませんでした。
あの軽やかさがあったからこそ
はじめての試合は”楽しい記憶”として
残っています。
また次の試合では失敗しないように
強く意識
をして
考えて練習できるようになりました。
この楽しい感覚と
成長への強い意識と思考が
初めての試合から得られたものです。
もし「勝たなきゃ」と気負っていたら
結果は同じでも
印象はまるで違っていたかもしれません。
試合って
メダルだけが全てじゃありません。
どんな目標を持つかで
得られるものも、感じ方も
大きく変わってきます。

はじめは
小さな一歩から
これから試合に出るあなたへ。
「まずは出てみるだけでもいいよ」って
伝えたいです。
それで「楽しい」と思えたら最高だし
「ちょっと違うかも」と思ったら
それも大事な気づき。
最初から”勝つこと”を目標にすると
試合自体を楽しむ
心のセンサーが動かないと思っています。
そして
勝てなかったときに”価値がない”って
思ってしまうことがあるかもしれません。
でも経験に”価値がない”ことはありません。
試合の空気を感じる。
ちゃんと名前を呼ばれて
自分の順番で跳ぶ。
最初のジャンプしてるときから
つま先をピンと伸ばす。
そんな小さな目標からでも
ちゃんと得られるものはあります。
だからまずは
「今の自分でやってみる」
そんな気持ちで立った一歩が
あなたにとっての夢の原点に
なるかもしれません。

——軽やかに夢のスタートを切った
元トランポリン選手
そとむらてつやより
P.S.
実はぼく
ワールドカップ初出場のとき
順番を間違えたことがあるんです!
「黄色のユニフォームの選手の次」
って覚えてたんですが、、、🟨
地元スウェーデンとウクライナの選手を
見間違えたみたいで、、、(汗
そのまま
最後まで演技をやり切っちゃいました(笑
終わってからコーチに
「今、てつやの順番じゃなかったよ」って。
いや「事前に止めてよ!」ですよね(爆笑
絶対コーチも分かってなかったはず。
日本代表として世界の舞台で
まさかのガチ順番ミス。
そんな話、ぼくは自分の以外
聞いたことありません。
でも
そんな大失敗しても
人生は終わらないんです。
完璧じゃなくても大丈夫。
失敗しても、また跳びましょう♪
