
これは
夢を追い続けたトランポリン選手の実話です。
もしあなたが今
「もう無理かも」と
心を閉ざしそうになっているなら——
きっとこの物語が
小さな希望の火をともすはずです。
初めての世界の舞台で
ぼくの夢は小さいころから
「トランポリンで世界一になること」でした。
宙を舞うあの感覚が
なによりも好きだったんです。
「もっと高く
もっと上手に跳べるようになりたい」
──それが毎日の原動力でした。
小学校6年生のとき
ぼくは初めて国際大会に出場しました。

全世界のジュニア大会で
各国の代表選手が集まる大きな大会です。
日本代表として
トランポリンの試合に臨みました。
飛行機から見た外国の景色
町の匂い、すべてが新しくてドキドキしました。
「これが世界なんだ!」
そして努力が実り
ぼくは銀メダルを獲得しました。
世界で2番目。
まだジュニアの大会だけど
「がんばれば夢は本当にかなうんだ」
と感じた瞬間でした。
「これからもっと強くなれる!」
そう信じていました。

でも、そのあとに
思いもよらない壁が立ちはだかったのです。
突然訪れた恐怖との出会い
日本に帰ってきてから
おかしなことが起きました。
今までできていた技が
急にできなくなったのです。
空中で回るとき
体がコントロールできなくなって
変なふうに落ちてきてしまいます。
「こわい…」 「跳べない…」
最初は難しい技だけだったのに
だんだん簡単な技も怖くなりました。
最後には宙返りではない
基本的な技も怖くなってしまいました。
「できない。」
「できない。」「できない。」
「世界大会に出るほど頑張れていたのに…」
どんどん自信を失っていきました。
心に大きな穴があいたような気持ちでした。

居場所が見つからない日々
家でも安らぐことができませんでした。
母は昔、体操の選手をしていました。
わが子にも成功してほしい
という思いからでしょう
熱心に指導してくれました。
「こうするといいよ」「こうしなさい」と。
その熱意は常に重圧となり
小さなぼくは
「自分の気持ちを言っても仕方ないのかな」
と思うようになりました。
練習場も家も
どちらも居心地の悪い場所に感じられました。
それでも、ぼくはトランポリンを続けました。
なぜだろう?
——夢があったからです。
正直に言うと、その頃のぼくの夢は
「希望」というきらめくものではなく
ただ「しがみつくもの」でした。
それでも
トランポリンで空中に跳び上がるとき
ほんの少しだけ心が軽くなる瞬間がありました。
技がどれだけ怖くても
トランポリンの本質的な
楽しさは消えなかったんです。
それだけが、ぼくの救いでした。
体までも試練の中で
中学生になっても、苦しみは続きました。
少し調子が戻りかけたころ
練習中に膝から「パキッ」という音がしました。
元々痛めていたところに
さらに無理を重ねて
疲労骨折まで起こしてしまいました。
「どんなに頑張っても
体が言うことを聞いてくれない」
「やっぱりぼくには無理なのかな」
大きく落ち込みました。
でも——それでもやめませんでした。
どんなに心が折れても
どんなに体が痛くても
ぼくには「あきらめる」
という選択肢がなかったのです。
夢を、手放すことだけは
できなかったんです。
変わり始めた心の捉え方
高校で環境を変え、一人暮らしを始めてから
少しずつ心の捉え方が変わり始めました。
「怖いと思う自分」
「できない自分」
それを、無理に否定しなくても
いいんだと思えるようになりました。
初めて
自分の気持ちをしっかりと見つめました。
そして弱い自分を受け入れ始めたのです。
そのことで怖さと向き合う
新しい練習方法を見つけました。
怖さを無理に消そうとするのではなく
怖さに合わせて少しずつ練習する。
怖くても、身体を動かす工夫をする。
怖いままでも、立ち上がる。
少しずつ、少しずつ、前に進み始めました。
弱さと共に歩む強さ
もちろん怖い気持ちが
完全になくなったわけではありません。
12才から現役を終える36才まで
怖さはずっとぼくの中にありました。
ぼくは
「世界一トランポリンを
怖がっているトランポリン選手」
だったと今でも本気で思います。
怖くてもいい。
できなくてもいい。
それでも前に進める。
それが、ぼくが見つけた自分だけの答えでした。

あなたへのメッセージ
もし今
あなたが壁にぶつかり
前に進めないと感じているのなら
どうか
このことを伝えさせてください。
「人よりできないことがあっても
それが強くなれない理由にはならない」
「自分なりの頑張り方しだいで
誰よりも強くなれる道はある」
ぼくは世界一になりました。
でも、ずっと怖かったんです。
誰よりも怖がりながら
それでも跳び続けてきました。
「怖さと向き合い続けた時間」なら
誰にも負けない自信があります。
それが
ぼくにとっての"本当の強さ"でした。
歩けなくても、立ち止まっても
挑戦していることに変わりはありません。
未来のあなたは
きっとこう言う日が来ます。
──「よく頑張ったね、ありがとう」
そしてその時には、きっと
また夢に向かって
自然と歩き出しているはずです。
挑戦は姿を変えて続いていく
あの頃の挑戦は
今もぼくの中で息づいています。
そして今
このブログを書きながら
気づいたことがあります。
今のぼくの新しい夢は
経験を伝えることです。
ひとつは、こうして言葉で。

もうひとつは、トランポリンを
思い切り楽しめる場所をつくることで。

正直、今も失敗ばかりで
壁にぶつかっています。
でも、あの頃の自分を思い出すと
競技とは違う道なのに
不思議とまた力が湧いてきます。
ぼくは今、あの頃よりも
ほんの少しだけ、しなやかに、軽やかに
前に踏み出せるようになりました。
そしてこのブログは
あなたの挑戦とも、きっと重なるはずです。
次回からは
ぼくの競技人生の原点にさかのぼり
より具体的に、ぼくが積み重ねてきた
「挑戦」と「気づき」の話をします。
どんな挑戦も
必ずうまくいくとは限りません。
でも
本気で向き合った挑戦は
必ずあなたの力になります。
このブログが
あなたの挑戦のヒントになりますように。
📖 続きのエピソードはこちら
※第1話以降はこれから書きます。お楽しみに♪
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このブログが、一人でも多くの挑戦者の光になりますように✨
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